俊敏さを競い合う、空手の「突き」とは、直(ちょく)突き(ストレー ト)を意味し、「蹴り」とは、直(ちょく)蹴り(前蹴り、つま先蹴り)を 言う。 又、半身に構えて、前側の手や前足を使えば、順突き、順蹴りと言 う。後側の手や足を繰り出せば、逆突き、逆蹴りと言う。 更に、下段とは、相手の脛(すね)を狙い、中段は、水月(みぞおち) を、上段は、陣中(鼻と口の間)を狙う。 以下では、突きについては、割愛し、昨今のテレビ放送で、「立ち 技格闘技」の花形になっている、蹴り技について、解説する。 【回し蹴り】について (About Round Kick) 回し蹴りは、キック・ボクシングや、K1で多用されている。 又、顔面ノーガードの体力勝負に陥っている、極真空手でも多用さ れる。 体の左右の回転力を利用し、足を、左、又は、右から振って足首の 甲で蹴る。少し練習すれば、誰にでも出来る、簡単な蹴りだ。 但し、ポイントが、一つ有る。蹴りが当たる直前に、足の指を握る 事である。(下の写真2枚を、参照) |
足の指を握り、甲をしっかり延ばして蹴る事により、蹴りに、切れが 出て、威力が増す!又、突き指も防げる。 K1の3度王者ピーター・アーツのハイ・キックが、時折、スローで 放映されるが、指を握っておらず、開いて伸びたままだ。 パンチなら、オープン・ブローで、威力は半減する。それでも相手が 倒れるのは、既に、相手がグロッキー気味だからだろう。 尚、空手の本来の回し蹴りは、足首の甲を直角に曲げ、次の直蹴りで 説明する様に、つま先で蹴る事になっている。しかし、突き指をして、 実行は、不可能だ。 【直蹴り】(前蹴り、つま先蹴り) (About Straight Kick) 俊敏さを旨とする空手の蹴りとは、本来、直(ちょく)蹴り(前蹴り)を 言う。 しかし、その蹴り方は、極めて、難しい! 体はやや前傾し、膝を胸元まで引き上げ、足の甲を水平に突き出し、 足の指を立て、親指の付け根で、突く様に蹴る。(下の写真2枚を、参 照) |
足の指を立てるのは、蹴った時の突き指を避ける為であり、これが出 来なければ、自身が負傷する。 しかし、それは、至難の技で、多くの空手家が、突き指に苦しみ、直 蹴りを放棄している。 だが、筆者は、蹴りこそがボクサーに対抗できる空手の真髄と信じ、 4年間を、この直蹴りの鍛錬に注ぎ込んだ。 突き指を回避する為には、柔軟運動の伸脚時や開脚時でさえも常に、 足の甲を延ばし、指立てを励行し、何十発、何百発とサンド・バッグを 蹴り込む事である。 今日では、キック・ボクシングや、K1、極真空手でも、回し蹴り が多用されているが、より俊敏なる、 「直蹴りこそが、最強!」と、 筆者は、確信する! |